素晴らしいブルース演奏ってこういうこと。

みなさま、こんにちは!
春日井ギター&ウクレレ教室 R studio 代表、
ギター講師、ウクレレ講師の古田竜之介です。
ふだん、このホームページの記事では、ブルースやジャズといった古い音楽について書くことが多いですね。僕はもちろんポップスも大好きですし、ロックはもちろん、意外にメタルも結構聴きます。メタル好きの友達に教えてもらったりするのですが。最近はSleep Theoryというメタルバンドにめちゃくちゃハマっています。もちろんシャウトとかデスボイス的な声も入っているのですが、メインのボーカルがえらくソウルフルな歌声で、かっこいいなぁ!!と思っていたら、ボーカリストはまさかのアフリカン・アメリカンの方!!若いアフリカンアメリカンの方は、やっぱりゴスペルからR&B、ヒップホップを歌うイメージが強かったので、メタルバンドで歌っている姿に驚きはしましたが、かっこよい!!めちゃくちゃすごいボーカリスト。
逆にメタルのミュージシャンからブルースを学ぶ、みたいなこともあります。
日本大好きギタリストとして有名な、元メガデスのマーティー・フリードマンさん。マーティーさんはハードロックやメタルを演奏し切ったあと、他にどのようなジャンルで音楽を奏でればいいか迷っていた時期があるそうです。ジョナサン・クライスバーグさんのような、メタルから正統派ジャズにいくこともあるし、すこしフュージョン的なジャズ路線に入るのが当時結構トレンドだったらしいのですが、マーティーさんはそこまでジャズ路線に興味が持てず、悩んでいたところにであったのが演歌。演歌のパワフルさに感銘を受けて、活動拠点を日本に移し、今では、アメリカ生まれでありながら、もはや日本を代表するギタリスト、みたいなくらいに日本の音楽シーンに根ざしています。彼のサウンドはすごく力強く、美しく、実直なイメージ。それに反して、演奏フォームがトップレベルで独特。どうやって弾いているんだろう?みたいなクセのある弾き方をされます。そこも含めて天才肌ー!ってイメージでした。
しかし、今日彼の演奏のすばらしさを再確認した映像がありました。TV番組なのか、YouTube番組なのかわからないのですが、日本で今バズっているギタリストをゲストに呼んで、マーティー・フリードマンさんがメインで対談したり、ゲストとセッションしたりするという構図の番組。
ときどきチラ見して、おいしいところだけ見て楽しんだりしていたのですが、本日見た回がかなり衝撃的でした。
ブルースをテーマとしていた回で、ゲストには今国内でも、海外でもすごく評価されているReiさんというロックギタリスト。ブルースをバックグラウンドだとおっしゃるReiさんは、エリック・クラプトンさんやジョン・メイヤーさんの演奏から影響を受けているイメージで、とてもスムーズなプレイでした。前置きしておきますが、それが悪かったわけでは全然ない!!もちろんいろんな意見があると思いますが、僕は全然否定的なイメージは持ちませんでした。当然若いギタリストなので、若さみたいなものは感じたけれど、これはこれで今のReiさんからしか聴けないギターソロだな!!と思って楽しんでいました。
ただ!ビックリしたのはその後、ギターソロ交代した後のマーティー・フリードマンさんのブルースギターソロ。
すごかった。本当に素晴らしくて、ちょっと泣けたくらいでした。
音のチョイス、出音の作りや強弱、音をどれだけ伸ばすか、どこで切るか、どのタイミングで音を出すか。どのように展開していくか。全ての音、ひとつひとつに強烈な意志を感じました。ここで弾くのは絶対にこの音!!そしてこの音はこういう色で弾く!!という強い意志。
身体と脳が楽器と直結していて、ギターで高らかに歌っていました。本当にパワフル。それはマーティー・フリードマンさんの演奏テクニックが高度であることとはまた別で、こう歌うんだ!!というイメージの強さが奏でる音でした。もちろん伴奏も同じく素晴らしかった。
そのときのマーティー・フリードマンさんの演奏は、ブルースの構成ではあるものの、定番のブルースなプレイスタイルではありませんでした。それでも、その自分が出している音への自信というか、意志の強さとか、実際の演奏の素晴らしさとか、本当に感動しました。
僕はかなりコテコテの昔ながらなブルースが好き。バディ・ガイさんとか、B.B.Kingさんとか、T・ボーン・ウォーカーさんとか。
そんな僕が、マーティー・フリードマンさんのブルース演奏に感銘を受けたことが、自分自身の演奏にすごく影響を与えた気がします。
今日撮った僕のブルースの演奏動画がコチラ。
【ブルースギター】すこしおつかれブルース。〜Blues with Ibanez guitar & Marshall〜

正直、この動画撮ってるときは、本日の仕事が全て終わった直後でもう深夜で、かなり疲労困憊です。そんなフラフラ状態だったので、正直リズムはよれてしまっているんだけれど、自分の弾きたい音をしっかりと意志を持って弾くという点に、あらためてしっかり向き合ったつもりの演奏です。結果、悪くない。なにかひとつ殻を破れたような気がしています。
これはある意味、メタルと演歌をバックボーンに持つマーティー・フリードマンさんが教えてくれたおかげ。いわゆるブルースや他のブラックミュージックとはまた全然違うジャンルのギタリストであるマーティー・フリードマンさんから受けた衝撃だからこそ、説得力があるのだと思います。
こういうことがあるからこそ、ジャンルの食わず嫌いせず、音楽を楽しむことって、僕にとってはものすごく良いことなのです。