講師の古田竜之介について!part3
みなさまこんにちは!春日井ギター&ウクレレ教室代表、ギター講師、ウクレレ講師の古田竜之介です。前回はずっと演奏したかったジャズを学びながら、かたやプロとして仕事をはじめたところまで記事にしました!仕事も順調に増え、ジャズを教えていただいていたジャズギタリストの伊藤さんからも良い評価をいただいていた矢先、とんでもないことが起きました。練習のしすぎ、手や脳を酷使しすぎた、色々な要因が重なった結果だとは思いますが…。フォーカルジストニアという脳疾患にかかってしまいました。これはときどき音楽家がなってしまう脳神経の病気なのですが、意図しない形で指が動いたり、震えたり、逆に動かなくなったりするものです。つまり、全く思うように演奏ができなくなる。スポーツだとイップスのようなものですが、音楽家の場合はもっと致命的。イップスになっても現役スポーツ選手を続けられる方はいらっしゃいますし、治ることもある。けれど、音楽家の場合のフォーカルジストニアは、かかってしまったらもう音楽ができなくなるほどの病気です。僕の場合は、楽器を弾こうとすると左手の小指、薬指が勝手に曲がり、手のひらにピタッとはりついて、離れなくなるというものでした。前兆はあったのですが、ちょうどブライダルセレモニーの演奏中に急に症状が重くなり、すごく焦ってなんとかその場をしのぎました。色々な手段を試して回復させようとしていましたが、それもままならず。この病気をなんとか緩和させるには、ずっと弾かないでいるか、脳の外科手術を行うしかない。僕はもうギターの仕事をしていたので、脳の外科手術を迷わず選びました。その後のお仕事を全てキャンセルさせていただき、みなさまに謝罪して回った後すぐに手術の準備に取り掛かりました。関東の病院にお一人だけ、その外科手術ができるお医者さんがいらっしゃって、その方に診察を受け、手術を受けました。
これについては僕のYouTubeで詳しく話しています。ここで詳しく話すと、かなりエグい話になってしまうほど壮絶な手術ですし、ここでお話しするようなことではないと思うので割愛しますが、もしそちらにご興味がある方は僕のyoutubeチャンネルをご覧ください!
https://youtube.com/@furutaguitarukulele?si=lVQeGzh9auOOshK-
手術が終わったあとは、壮絶なリハビリが待っていました。これは脳の手術全般に言えることですが、まず力が入らなくなり、半身の感覚がおかしくなります。色々なリハビリと演奏を戻すための治療やトレーニングの日々。
そして、奇跡的に僕は演奏に復帰することができました。
前にも記述しましたが、僕はかなり指を速く動かして弾く、いわゆる速弾きが得意なギタリストだったのですが、もうその技術は病気になった時点で落ちることは間違いなかったので、脳手術の前から術後のトレーニングの間、リズム感向上、まだ指に負担の少ないウクレレの練習、そしてビジネスやコミュニケーションの勉強。この3つを行っていました。その結果、これも奇跡的なことですが、手術の前よりもご依頼いただける仕事が増えていきました。やはりリズムは手先のテクニック以上に大切だし、コミュニケーションの技術はもっと大切なんだと実感しました…!
ウクレレに関してはデンマークのTobias Elofさんのオンライン講座で色々な演奏技術や音の捉え方を学習して、グンとレベルアップすることができましたし、その後ハワイアンを小林キヨシさんの教材でたくさん覚えながら、色々な曲をレパートリーに加えていくことによって視野の広いウクレレ演奏ができるようになりました。この時期がなければ、ウクレレ演奏でここまで仕事をすることはできなかったと思います。ただし、ギター、ウクレレともに仕事が増えていく中で葛藤もありました。なにせまだリハビリは継続中、手術の後遺症も残っている中で、演奏の仕事をしていくのは、本当に辛かったです。思うように演奏できず、同業者から後ろ指をさされることもしばしば。それでもなぜか、「僕は確実にもっと成功するし、もっと上手くなる」と確信していたので、なんとか乗り切っていった感じでした!色々なものを抱えながらも、だんだんと仕事は順調になっていきました。今もその病気と手術後遺症の爪痕は深く残っています。それでも、トレーニングと生活習慣の改革、リハビリと人体の勉強を全く妥協せず行った結果、現在では一発撮りでちゃんとプロとして認められる演奏ができるようになりました。例として最近の演奏動画、貼っておきます!
フォーカルジストニアにかかって引退したミュージシャンが世界に数多く存在する中、僕はとても幸運なことに、この病気から復帰して、演奏の仕事ができる、国内でも数少ないミュージシャンになることができました。とはいえ、復帰当時は、僕の思いえがいていた演奏者の図式から大きく遅れをとったなあと正直思っていました。それでも、当時の僕を励ましてくださった先輩、お仕事に抜擢しつづけてくださったミュージシャンのみなさま、大手のミュージックスクールスカウトしてくださった社長さん、みなさまには今でも本当に感謝しています。なにより、病気になってしまった当時からずっと習いに来てくださった生徒のみなさま。本当にありがとうございました。さて、復活の最中その時期に、今度は全く違う事態に襲われることに…。次回に続きます!